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冬晴れの芳賀路にSLを撮りに(7)真岡の屋外展示車たち(その1) [保存車・廃線跡]

自分の担当の仕事で、去年から新しくなった(はずの)ものがあった。
そう、去年のこの時期、システムの担当者と相談しながら、自分の部署で
必要なものを自分が準備した記憶があった。

今年は、部内での話し合いでは「去年と同じものを使えば良いよね」。
「あぁ、去年のものがありますから...」と自分。

でも...

今日、確認してみてビックリ。それは単なる“妄想”というか“記憶違い”。
1月、年明け早々に必要になるはずの“モノ”は影も形もなかったのである。
これにはビックリ。正月休みが吹っ飛んでしまうのか...
それとも、今週、もうちょっとだけ頑張れば何とかなるのか...。

年内最後の出社が29日の予定だったのだが...う~ん。
一気にピンチな状況に。...と、ちょっと珍しく仕事の話題から。
これほど、各地へ“出撃”を繰り返している<変態鉄>だが、正体はと言えば
ひとりの会社員なのである。

と、一通り、どうでも良い話を書いた後は、12月11日、真岡駅の展示車たち。

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【2016年12月11日12時09分】 真岡鐵道・真岡駅「キューロク館」

「キューロク館」の49671号機、D51 146号機ともピカピカに磨き上げられ、
まさに、黒光りした機体。そのキャブの中にも入ることができた。

……  ……

2016年12月11日(日)晴れ

まず、キューロクが動く線路と真岡線の線路の間のスペースに居るのが
D51 146号機。残念ながら、真岡とは縁の無い機関車だが...

実は、この機関車、1975年に北海道で廃車になった翌76年、遠く離れた
静岡県静岡市の駿府城公園で保存された。昭和50年と言えば、
国鉄の「動力近代化」、つまり“無煙化”は最終盤。その最後を飾ったのは
北海道だったわけで...、蒸気機関車の代名詞「デコイチ」、D51型も、
本州ではほとんどがすでに廃車済み。「北海道仕様」の機関車が公園などで
展示保存されている例は、全国的にも珍しくない。

ただ、昨日の記事の冒頭の話ではないが...
自分も含めて「蒸機を知らない世代」が増えてくるとともに、保存蒸機への
関心も薄れ、また、ボランティア等で日々のメンテナンスをしていた
国鉄OBの皆さんも高齢化。さらに、屋外展示の鉄道車両というのは予想外に
痛みが早いもので...
手入れしようにも、その予算をどうするか、など、様々な問題も出てきて...

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【2016年12月11日12時11分】 真岡鐵道・真岡駅「キューロク館」

説明看板にもあるように、駿府城公園から移った静岡市・城北公園でも
老朽化に伴い、市が解体・撤去の方針を決めたということが報じられたのは
4~5年前のこと。2015年2月21日という解体作業の日付も発表され、
もうダメか...となったわけで。尤も、そのときになったから大騒ぎするのも、
どうかという受け止め方もあるのだが、ここから様々な経緯もあって、
結局、「期限までに引き取り手が現れたら...」という形になり、
そう、そこで真岡市が無償譲渡を受けることになったわけで。

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【2016年12月11日12時09分】 真岡鐵道・真岡駅「キューロク館」

北海道で37年間の現役生活、静岡でも37年間の静態保存、解体撤去を免れ、
真岡に来て1年半、2015年11月までに整備が行われ、現役さながらの美しい
姿を取り戻して保存されている。

手元の資料によれば、D51 146号機、落成は1938年(昭和13年)11月26日。
日本車輛名古屋工場である。新製配置は追分機関区、1944年(昭和19年)の
春には長万部に転属になっており、このまま、現役最末期で長万部で過ごした。
この間には1963年(昭和38年)7月に旋回窓取り付け、1967年(昭和42年)9月
には、重油併燃装置の取り付けが行われ、重装備の機関車になっていった。
1973年(昭和48年)5月に、住み慣れた長万部を後に、小樽築港機関区に転属。
この時期になると、蒸気機関車自体も末期になっており、各所で余剰機が
発生していたはずで、となれば、その中で状態がよく検査期限に余裕のある
ものを残していた...と考えれば良いのだろうか。
翌74年には岩見沢第一機関区に転属し、1976年(昭和51年)3月1日付けで
廃車となっている。最終配置は岩見沢第一。

つまり、戦中、戦後の函館本線や室蘭本線を活躍の場としてきた機関車で...

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【2016年12月11日11時38分】 真岡鐵道・真岡駅「キューロク館」

蒸機のことにはあまり詳しくない<変態鉄>でもわかる特徴は、
デフレクター(除煙板)が通常のものより下がった位置に小さめになっていること。
この「切り詰めデフ」は、北海道仕様のわかりやすい特徴。

ただ、ずっと北海道で暮らしていた機関車なのにキャブの密閉化改造は受けず...
このあたりはちょっと不思議な気がする。

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【2016年12月11日12時11分】 真岡鐵道・真岡駅「キューロク館」

バルブ類もすべて磨き出されており、もはや工芸品のような...
この機械美が堪らん。(蒸機の各部分の構造に詳しくないのだ...)

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【2016年12月11日12時11分】 真岡鐵道・真岡駅「キューロク館」

進行方向左側が機関士席。その注目は前面窓。これも北海道型の特徴。

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【2016年12月11日12時11分】 真岡鐵道・真岡駅「キューロク館」

この丸い小さな窓。「旋回窓」である。別にこれは蒸気機関車に特有のものでは
なくて、DD51ディーゼル機関車などにもこれを装備していたグループは...
このほか、ごく一部、ディーゼル動車にも旋回窓付きのものはあって。
豪雪地ではよく見かけるものである。「視界が効かなくて大変なのでは??」とは
素人考えなのだろうか、雪の中ではワイパーではなく旋回窓の方が
有利なのだとか。

さて、展示運転の時間を除けば、“あこがれのキューロク”49671号機のキャブも
見学できるわけで...

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【2016年12月11日12時09分】 真岡鐵道・真岡駅「キューロク館」

館内で停車中に、もちろん、こちらも見学したわけである。

さぁ、大正時代の蒸機は、のちのものとはどう違うのだろうか!?

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【2016年12月11日12時14分】 真岡鐵道・真岡駅「キューロク館」

キャブ内にチェーンが付けられ、注意書きが掲示されているのは、圧縮空気方式
とはいえ、この機関車が“動態”であることの証拠と言うことだろうか。

では、D51と同様、進行方向左側の機関士席を...

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【2016年12月11日12時14分】 真岡鐵道・真岡駅「キューロク館」

ぬぁんと...、ギャランドゥー、おっともとい。がらんどうである。
実はこの機関車、右側運転台という珍しい仕様なのである。

さて、この“珍品”の機関車、その理由は49671号機の経歴にある。

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【2016年12月11日12時13分】 真岡鐵道・真岡駅「キューロク館」

と、エラソーに語っているがこの日、初めて知ったのだった。
この機関車の落成は1920年(大正9年)11月27日、川崎重工業兵庫工場である。
D51 146号機と同様...といっても親子ほど生まれは違うが...
新製配置は札幌局。最初の頃は黒松内配置だったとされる。
ちなみに、黒松内というのは長万部からニセコ・小樽方面に函館本線で3駅の
ところにある。1933年6月に岩見沢に転属、その後、戦時中か終戦直後に
五稜郭に転属になっている。その後は、長らく五稜郭配置。

右側運転台改造は、この五稜郭に居た頃だと思われる。

なお、1968年(昭和43年)にはいったん北見、1975年(昭和50年)には滝川と
配置替えとなり、1976年3月1日付けで廃車となっている。最終配置は滝川。

さてさて、右側運転台だが...

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【2016年12月11日12時13分】 真岡鐵道・真岡駅「キューロク館」

9600形「キューロク」は、鈍足でも力のある機関車として定評があった。
だから、本線運行では無く貨物ターミナルでの構内入換え専用だった個体も
少なくなかった。そう、この49671号機も五稜郭時代には青函航路の航送用
貨車の入換え作業に従事していたのだが、構内が全体として右カーブにあり、
左側に運転台があると、機関士さんから死角になるということで、
五稜郭構内の入換え機関車はまとまった数が、右側キャブに改造されたとか。

ただし、右側運転台の機関車の番号表など、明確な資料も残っておらず、
中国地方や九州地方にも存在していたという説もあり...
「右側運転台のキューロク」の数は、二桁に上ると言われているが、
現車の大半が解体済の現在、正確なことを知ることはできない。

やはり、キューロク、奥が深いのである。(つづく)

……  ……

と、「一番好きな蒸気機関車」などと曰いつつ、その保存機のことすら、
この記事を書くために慌てて調べている...、相変わらずの<変態鉄>だった。

明日はもしかしたら...、もしかすると。
1回、別の記事を挟むことになるかも。乞うご期待!!!

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

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