2017夏、中国地方へ(28)「同和鉱業片上鉄道」の名残を探して [保存車・廃線跡]
<変態鉄>はあまり好きでは無いのだが、“ニラレバ”というのがある。
中華料理店の定番メニューだろうか、レバーとニラの炒め物である。
一方、鱈の身とレバーを炒めたものが“タラレバ”である。
その“タラレバ”。
<変態鉄>が、つくづく思うのは「あと10年早く生まれていたら...」ということ。
そうしたら、ちょうど大学生になる頃に分割民営化を迎えていた。
ついでにバブル景気にも間に合って、もっと楽しく過ごせたのでは無いか...
と思ったりする。それこそが“タラレバ”!?
さて、ちょうど、<鉄>活動を本格化させ、全国を飛び回った頃に国鉄型が。
それに、その気になったら日帰りできる範囲に、こんなスゴい路線が現役で...

【2017年9月3日10時42分】 岡山県美咲町・柵原ふれあい鉱山公園(黄福棚原駅)
そう思う路線の1つが岡山県の東部を南北に走っていた“同和鉱業片上鉄道線”。
終点(の1つ手前)の旧吉ヶ原駅構内で月に1度、保存会による展示運転が行われる。
それが今回の目的の1つだったが、翌日に控え、その起点・片上駅跡を訪れた。
…… ……
2017年9月2日(土)晴れ
臨港鉄道跡から戻ってきたのは16時前。すかさず、岡山駅に戻って
15:54発の赤穂線第1924M、末期色の115系4連は夕方のラッシュが始まったのか
車内はかなり混雑していた。

【2017年9月2日16時34分】 赤穂線・西片上駅(後追い)
そんな車内が少しずつ落ち着いてくると、西片上駅には16:37着。
事前にリサーチした内容では「備前市の中心部に近い位置」とあったのだが、
瀬戸内海に面した小さな集落...といった感じに見えた。
片面ホームの無人駅は、その集落より一段高い位置にあって、駅を出て
階段を下りて線路を潜り、さらに階段を下りて...
小さな川沿いの道を進めば、旧山陽道を越えてすぐに海沿いの道に突き当たる。
国道250号線である。ここを右折したあたりが目的地のはずだが...
海に面して大型量販店。ちょうど備前郵便局前付近、その向かい側あたり。
通り沿いの家並みは、そういった大型店舗を除けば活気の無い
ちょっと...というか、かなり寂れた感じの家並みである。そこで見つけたのが...

【2017年9月2日16時38分】 岡山県備前市西片上付近
色褪せてほとんど読み取れなくなっているが、周辺の案内図。
中央を左右に通っている黒い線が、JR赤穂線。中央付近には隣の備前片上駅。
左(奥)の方で鉄道線どうしが交差している付近に、[ のような線がかすかに。
これが西片上駅。そこでタテに交差している線が同和鉱業片上鉄道線。
同線の廃止は1991年(平成3年)、それ以前に設置されたものだろう。
その線路は「電報電話局」のところで急カーブ、その先で途切れている。
いまも備前郵便局の少し先にNTTの施設が残っていることから位置を推測すると
西片上駅から歩いてきたコースにそって、片上鉄道が走っていたはず。
さらに、そこから2~3分だっただろうか、国道250号線を南西に進むと
ドラッグストアの隣に広大な空き地がある。その片隅に...

【2017年9月2日16時43分】 岡山県備前市西片上付近
突然、姿を現すのが朱色のディーゼル機関車なのである。
長距離トラックの車庫のような感じで使われているようで、その気になれば
敷地内に入って形式写真を狙えそうだが、トラックに阻まれて形式写真は無理そう。
ということで、国道から見学するだけ。

【2017年9月2日16時43分】 岡山県備前市西片上付近
社紋とともに、DD13-552という番号。
DD13型は国鉄で(事実上)初めて量産されたディーゼル機関車である。
国鉄では構内入換や支線の小運転の主力として活躍するも、後継のDE10型に
後を譲って分割民営化前に淘汰された。でも、この552号機を含む同社のDD13型は
5両とも自社発注。国鉄のものとはエンジン出力や運転台構造が異なるとのこと。
トップナンバーの551号機は吉ヶ原で動態保存されている。
なかなか撮れそうでうまく撮れない場所で...う~ん。
撮影時刻が10分以上経過しているけれど、ずっと撮り方を考えていた...
訳では無い。すぐ先にコンビニがあって。そこで一休みしていたから。

【2017年9月2日16時53分】 岡山県備前市西片上付近
広大な更地の片隅、短い線路の上にポツンと佇むディーゼル機関車。
説明板も何もなく、たぶん、フツーの人には...<鉄>であってもこの場所に
1991年まで駅があって、その昔は37両編成の鉱石列車が日夜走り続けていた...
など知るよしも無いはずで。

【2017年9月2日16時54分】 岡山県備前市西片上付近
さて、ということでDD13の見学も一段落。あとは駅に戻るだけなのだが、
その途中、家電量販店の駐車場付近にあったものが気になっていた。
それが、コチラ。

【2017年9月2日16時58分】 岡山県備前市西片上付近
駐車場入口付近に短く切った線路。
その傍らには...

【2017年9月2日16時59分】 岡山県備前市西片上
「ゼロ起点」と書かれた説明板と0キロポスト。
説明板には
片上鉄道が存在していた証としてこの地に移設し、将来にわたって
顕彰するものです。
とある。実際の起点(0キロポスト)はどうやら、ここから数百メートル。
先ほどのDD13型ディーゼル機関車が置かれていた更地の、海側の位置にあった
と思われる。でも、この日、唯一、同和鉱業片上鉄道線の存在を語っている
“遺構”だった。
なお、PC枕木のこの立派な線路は片上鉄道線のものなのかどうかは分からず。
現役時代の写真を見るとPC枕木のものは見つからないのだが...
さて、だいぶ陽も傾いてきて。岡山に戻るために再び西片上駅へ。
そのときだった。

【2017年9月2日17時01分】 岡山県備前市西片上付近
駅へと続く階段が見えてきたところで。
岡山ゆきの電車が発車していくのが見えたのだった。嗚呼。
トボトボと階段を上るのだった。

【2017年9月2日17時04分】 赤穂線・西片上駅
ようやく西片上駅。
部活の試合か何かだろうか、高校生のグループが賑やかなこと賑やかなこと。
ベンチも占領されており、ホーム端付近でメモをまとめながら時間が過ぎるのを
待つしか無かったのである。
その賑やかだった高校生たちは、先に来た相生ゆきで。静寂が戻った駅で。
やることもなく、この時間は長かった。
ちなみに、駅の北側には片上鉄道の信号機の遺構が残っていたとか...
それを本で読んだのは東京に戻ってから。

【2017年9月2日17時37分】 赤穂線・西片上駅
ようやく。
17時半過ぎ、トンネルの向こうから岡山ゆきの電車が見えてきた。(つづく)
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中華料理店の定番メニューだろうか、レバーとニラの炒め物である。
一方、鱈の身とレバーを炒めたものが“タラレバ”である。
その“タラレバ”。
<変態鉄>が、つくづく思うのは「あと10年早く生まれていたら...」ということ。
そうしたら、ちょうど大学生になる頃に分割民営化を迎えていた。
ついでにバブル景気にも間に合って、もっと楽しく過ごせたのでは無いか...
と思ったりする。それこそが“タラレバ”!?
さて、ちょうど、<鉄>活動を本格化させ、全国を飛び回った頃に国鉄型が。
それに、その気になったら日帰りできる範囲に、こんなスゴい路線が現役で...
【2017年9月3日10時42分】 岡山県美咲町・柵原ふれあい鉱山公園(黄福棚原駅)
そう思う路線の1つが岡山県の東部を南北に走っていた“同和鉱業片上鉄道線”。
終点(の1つ手前)の旧吉ヶ原駅構内で月に1度、保存会による展示運転が行われる。
それが今回の目的の1つだったが、翌日に控え、その起点・片上駅跡を訪れた。
…… ……
2017年9月2日(土)晴れ
臨港鉄道跡から戻ってきたのは16時前。すかさず、岡山駅に戻って
15:54発の赤穂線第1924M、末期色の115系4連は夕方のラッシュが始まったのか
車内はかなり混雑していた。
【2017年9月2日16時34分】 赤穂線・西片上駅(後追い)
そんな車内が少しずつ落ち着いてくると、西片上駅には16:37着。
事前にリサーチした内容では「備前市の中心部に近い位置」とあったのだが、
瀬戸内海に面した小さな集落...といった感じに見えた。
片面ホームの無人駅は、その集落より一段高い位置にあって、駅を出て
階段を下りて線路を潜り、さらに階段を下りて...
小さな川沿いの道を進めば、旧山陽道を越えてすぐに海沿いの道に突き当たる。
国道250号線である。ここを右折したあたりが目的地のはずだが...
海に面して大型量販店。ちょうど備前郵便局前付近、その向かい側あたり。
通り沿いの家並みは、そういった大型店舗を除けば活気の無い
ちょっと...というか、かなり寂れた感じの家並みである。そこで見つけたのが...
【2017年9月2日16時38分】 岡山県備前市西片上付近
色褪せてほとんど読み取れなくなっているが、周辺の案内図。
中央を左右に通っている黒い線が、JR赤穂線。中央付近には隣の備前片上駅。
左(奥)の方で鉄道線どうしが交差している付近に、[ のような線がかすかに。
これが西片上駅。そこでタテに交差している線が同和鉱業片上鉄道線。
同線の廃止は1991年(平成3年)、それ以前に設置されたものだろう。
その線路は「電報電話局」のところで急カーブ、その先で途切れている。
いまも備前郵便局の少し先にNTTの施設が残っていることから位置を推測すると
西片上駅から歩いてきたコースにそって、片上鉄道が走っていたはず。
さらに、そこから2~3分だっただろうか、国道250号線を南西に進むと
ドラッグストアの隣に広大な空き地がある。その片隅に...
【2017年9月2日16時43分】 岡山県備前市西片上付近
突然、姿を現すのが朱色のディーゼル機関車なのである。
長距離トラックの車庫のような感じで使われているようで、その気になれば
敷地内に入って形式写真を狙えそうだが、トラックに阻まれて形式写真は無理そう。
ということで、国道から見学するだけ。
【2017年9月2日16時43分】 岡山県備前市西片上付近
社紋とともに、DD13-552という番号。
DD13型は国鉄で(事実上)初めて量産されたディーゼル機関車である。
国鉄では構内入換や支線の小運転の主力として活躍するも、後継のDE10型に
後を譲って分割民営化前に淘汰された。でも、この552号機を含む同社のDD13型は
5両とも自社発注。国鉄のものとはエンジン出力や運転台構造が異なるとのこと。
トップナンバーの551号機は吉ヶ原で動態保存されている。
なかなか撮れそうでうまく撮れない場所で...う~ん。
撮影時刻が10分以上経過しているけれど、ずっと撮り方を考えていた...
訳では無い。すぐ先にコンビニがあって。そこで一休みしていたから。
【2017年9月2日16時53分】 岡山県備前市西片上付近
広大な更地の片隅、短い線路の上にポツンと佇むディーゼル機関車。
説明板も何もなく、たぶん、フツーの人には...<鉄>であってもこの場所に
1991年まで駅があって、その昔は37両編成の鉱石列車が日夜走り続けていた...
など知るよしも無いはずで。
【2017年9月2日16時54分】 岡山県備前市西片上付近
さて、ということでDD13の見学も一段落。あとは駅に戻るだけなのだが、
その途中、家電量販店の駐車場付近にあったものが気になっていた。
それが、コチラ。
【2017年9月2日16時58分】 岡山県備前市西片上付近
駐車場入口付近に短く切った線路。
その傍らには...
【2017年9月2日16時59分】 岡山県備前市西片上
「ゼロ起点」と書かれた説明板と0キロポスト。
説明板には
片上鉄道が存在していた証としてこの地に移設し、将来にわたって
顕彰するものです。
とある。実際の起点(0キロポスト)はどうやら、ここから数百メートル。
先ほどのDD13型ディーゼル機関車が置かれていた更地の、海側の位置にあった
と思われる。でも、この日、唯一、同和鉱業片上鉄道線の存在を語っている
“遺構”だった。
なお、PC枕木のこの立派な線路は片上鉄道線のものなのかどうかは分からず。
現役時代の写真を見るとPC枕木のものは見つからないのだが...
さて、だいぶ陽も傾いてきて。岡山に戻るために再び西片上駅へ。
そのときだった。
【2017年9月2日17時01分】 岡山県備前市西片上付近
駅へと続く階段が見えてきたところで。
岡山ゆきの電車が発車していくのが見えたのだった。嗚呼。
トボトボと階段を上るのだった。
【2017年9月2日17時04分】 赤穂線・西片上駅
ようやく西片上駅。
部活の試合か何かだろうか、高校生のグループが賑やかなこと賑やかなこと。
ベンチも占領されており、ホーム端付近でメモをまとめながら時間が過ぎるのを
待つしか無かったのである。
その賑やかだった高校生たちは、先に来た相生ゆきで。静寂が戻った駅で。
やることもなく、この時間は長かった。
ちなみに、駅の北側には片上鉄道の信号機の遺構が残っていたとか...
それを本で読んだのは東京に戻ってから。
【2017年9月2日17時37分】 赤穂線・西片上駅
ようやく。
17時半過ぎ、トンネルの向こうから岡山ゆきの電車が見えてきた。(つづく)
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「ゼロ起点」のロータリー前にあるバス停は確認しました?
by フジトモ (2017-10-10 20:18)
フジトモさん
コメントありがとうございます。
備前片鉄バスのHPを慌てて、チェックしてしまいました。
隣の恵美須前バス停は、覚えていたのですが...
う~ん、再訪しようかな...嗚呼。
by あるまーき (2017-10-11 00:09)