So-net無料ブログ作成

京津線が緑色だった頃(1)憧れの三条通 ['90sのトラムたち]

臨鉄キハの話題を引っぱり続けたものの、ここ1~2週間、仕事が多忙を極めている。
でも、何だか問題への対処のための打合せばかりで、忙しさを感じる割には、
仕事が前に進んでいる、そういう充実感みたいなものは、まるで無し。
疲ればかりが蓄積していく感じ、もはや消耗戦である。

そうなれば休みもとれず...、趣味活動に没頭する時間もとれない。
さらに、そんな意欲すらそがれるわけで、つまり、拙ブログ、今年初めての
“ネタ切れ警報”が発令されているわけである。

00_199108bara_keishinsen_01.jpeg
【1991年8月12日】 京阪京津線(当時)・蹴上電停

そんな時こそ...

ネガをスキャンしたデータを掘り返して、90年台、ネットがまだまだ未発達な時代、
高校から大学時代にかけて、その行動範囲の広がりとともに本の中で見た鉄道情景を
実見するに至り、無我夢中でカメラのシャッターボタンを押し続けていた、
そんな<変態ガキ鉄>の思い出話を綴ってみたい。

「満足できる1枚を残したい」と思いつつ、“時間切れ”となってしまった、
この路線をご紹介したい。

……  ……

京都の中心部、三条大橋を渡ったところにある駅が三条京阪。
市バスを三条京阪前で下車して、祇園方面や八坂神社、知恩院、さらには平安神宮...
京都の街を巡る拠点。自分も、何度も行ったことがある。
ゆっくりと歩くと何ともゆったりした気分になれる場所である。
(<鉄>抜きで、京都を歩くのも好きな<変態鉄>だが、最近は竜安寺に行っただけ)

01_199108_bara_iida_kyoto_01.jpeg
【1991年8月12日】 京阪京津線(当時)・京津三条駅付近

地下駅の三条京阪前に対して、その地上部には京津三条駅という、
いかにも私鉄電車のターミナル然とした駅に小さな電車たちが発着していた。

02_PICT0194.JPG
【1993年頃(?)】 京阪京津線(当時)・蹴上-東山三条

さて、三条京阪の駅前を東西に走る通りが三条通。
かつて、その三条通の中央を濃淡の緑色で塗り分けられた上品な雰囲気の電車たちが
ゴトゴトと音を立てて走っていた。

03_PICT0215.JPG
【1993年頃(?)】 京阪京津線(当時)・浜大津駅付近

京阪京津線である。1997年10月までは、その線名が示す通り、
京都の中心部の京津三条駅から、琵琶湖の湖畔にある浜大津駅までを結ぶ路線だった。

尤も「だった」は正しくないかも知れない。
現在は、<変態ガキ鉄>が憧れていた、そんな緑色の電車ではなく水色と黄色の
パステルカラーの地下鉄となった。大半の区間が京都市営地下鉄・東西線となり、
いまでは大津の大通りの真ん中を4両編成の地下鉄の電車が走るという、
それはそれで何ともユニークな路線になっている。
ある意味、それがアメリカ由来の“正しいインターアーバン”かも知れないが、
自分にとっては写欲をそがれる、というか、趣味の対象ではなくなってしまっている。
だから、その地下鉄電車が走る姿は一度も見に行ったことがない。

……  ……

さて、ここまでに何度か出てきた「インターアーバン」とは、
「都市間電気鉄道」と訳せば良いのだろうか。そもそものはじまりは、
20世紀初頭のアメリカの各都市に開業した路線を指して使う用語である。
“Interurban Electric Railway”の訳語。
蒸機ではなく電化された路線で、都市部では道路併用軌道を走り、郊外に出ると
新設軌道を走り抜け、隣の都市の中心部のターミナルに至る、そんなスタイル。
(いつもながら、こんな受け売り的テキトー説明で申し訳ないです)

0Y6C5388.JPG
【2013年10月30日9時02分】 福鉄福武線・サンドーム西-家久(後追い)

日本では無理矢理言えば、福井鉄道福武線がこのスタイルを今に伝えているか。
福井市の隣は鯖江市、その隣が武生市...というか越前市。
菊人形で有名な武生の街を出発した電車は、田園地帯の新設軌道を飛ばしていく。

0Y6C5788.JPG
【2013年10月31日8時43分】 福鉄福武線・市役所前-公園口(後追い)

そして、福井市の中心部に近づくと木田交差点近くの「鉄軌分界点」を境に、
路線は路面電車となる。そのまま、市役所前を経て田原町と福井駅前まで、
市街地に入ると道路上を走る。全線にわたってJR北陸本線と並走するが、
駅間距離が短いことや福井中心部へのアクセスが便利なことから、苦しい時期を
乗り越えつつ、いまも頑張っている。

……  ……

さて、話を京都に戻そう。

鴨川を瀬に、京阪三条駅と接続する京津三条駅を出発した2両編成の電車は
京都の中心部・三条通りを進み、ちょうど南禅寺の南西、蹴上(けあげ)電停から
新設軌道に入る。ちょうど琵琶湖疎水のすぐ近くである。

04_199108bara_keishinsen_03.jpeg
【1991年8月12日】 京阪京津線(当時)・蹴上-東山三条

この三条通の道路併用区間にあった1つの歩道橋、それが<変態鉄>には
思い出の撮影地であった。

廃線直前の1997年まで何度も何度も撃沈を繰り返したことも確かだが、
ココ、はじめて読んだ鉄道写真のガイドブックに書かれていた撮影地。

ひょんな理由で手にした、Canon EOS 750QDという、オート撮影しかできない一眼レフ、
35-70 mmという、ごくフツーの標準ズームレンズ。
鉄道写真の装備として、あまりにもショボ過ぎるが、でも、当時のガキは...
「バ※チ※ンカメラ」しか使ったことがなかったガキは...
“これでプロのような凄い写真が撮れる!!!!!!”と大コーフンだった。
早速、地元の図書館に行って「鉄道写真の撮り方」的な参考書を借りてきたのである。

05_PICT0197.JPG
【1993年頃(?)】 京阪京津線(当時)・蹴上-東山三条

そこに構図のとり方の基本として紹介されていた作例の1つがこの地点での1枚。

ここで振り返って、東の方角を見ると、左には京都らしく
間口の狭い瓦葺きの住宅兼店舗が建ち並び、そんな中を古都に相応しい
落ち着いた配色の電車が往来する...、その風景を切り取るわけで。

06_PICT0191.JPG
【1993年頃(?)】 京阪京津線(当時)・蹴上-東山三条

でも、電車を引きつけすぎれば背後の家並みが目立たず...
路面併用区間の撮影では、クルマに被られるのも日常茶飯事。
最初は、大好きだった80型で...と思っていたが、最後は、車体更新されて
新型車体になっていたグループでも何でも良かった。
“納得の1枚”を得るために、廃止直前まで京都を訪れる度にこの歩道橋に通ったが、
でも、満足できる1枚を撮ることはできないまま、いつしか、その日を迎えたのだった。

……  ……

さて、その先にあるのが蹴上電停。初訪問のとき、ここで80型を写し止めていたのが
いまとなっては貴重な記録。
その昔、ポール集電だった時代など知るよしも無い世代だが、それでも、ちょっと
丸みを帯びた車体、古都に相応しい上品でオシャレな電車だったと思う。

00_199108bara_keishinsen_01.jpeg
【1991年8月12日】 京阪京津線(当時)・蹴上電停

ここから三条通を離れて新設軌道の区間へ。
「最急勾配」として知られた碓氷峠に匹敵するくらいの急勾配を経て
山科、大津へと向かっていくのであった。(つづく)

(※)撮影時刻は写真データのものです。したがって、実際の時刻とは多少前後します。

あなたの「ポチッ!」こそが、励みになります。あっ、あと、「nice!」も。
にほんブログ村 鉄道ブログへ
にほんブログ村

[お知らせ]
<非鉄>ネタで気楽につくるサブブログ「金失いの道すがら」も
少しずつ再開していきます。こちらのリンクよりお越し下さい。
こちら → http://moha14722since1962.blog.so-net.ne.jp

nice!(36)  コメント(6)  トラックバック(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 36

コメント 6

johncomeback

豊富なアーカイブをお持ちで羨ましいです。
by johncomeback (2015-02-01 10:01) 

あるまーき

johncomebackさん

コメントありがとうございます。
「アーカイブ」なんて呼ぶには、何ともお恥ずかしい写真ばかりで恐縮です。

by あるまーき (2015-02-01 10:23) 

ミスター仙台

私もAE-1Pを親に買って貰った時、
変なプロ意識を持ってしまい同様の思いがありました。
その際のレンズは標準ズームの1本という内容でしたが・・・
by ミスター仙台 (2015-02-01 13:25) 

あるまーき

ミスター仙台さん

コメントありがとうございます。
はじめて一眼レフを手にしたときのドキドキは変わらないんですね。
自分は、それ以来、カメラの機材だけは良くなりました。でも、当時、貧弱な装備で撮っていたときの方が、写真を撮る瞬間、撮った写真を見るときの緊張感...、いまよりも集中して丁寧に撮っていたような気がします。
by あるまーき (2015-02-01 13:42) 

Cedar

インタアーバン好きならば、京津線と福鉄は外せませんね。
by Cedar (2015-02-02 22:12) 

あるまーき

Cedarさん

コメントありがとうございます。
仰る通りですね。京津線は、その魅力に気づかされる前に地下鉄化されてしまったのが、残念でなりません。
by あるまーき (2015-02-03 02:25) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0